[判例]定年後の再雇用 賃金75%減は違法(最高裁で高裁判決が確定) - 沖縄で雇用・労務のことなら上原労務管理事務所

092-791-8555 お問い合わせはこちら

トピックス

トピックス

[判例]定年後の再雇用 賃金75%減は違法(最高裁で高裁判決が確定)

「定年を迎える前に再雇用の条件として、賃金を退職前の約25%とする(約75%減額する)と会社が提示したのは不法行為だとして、元従業員の女性が、勤めていた食品会社に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁が原告、会社双方の上告を不受理とすると決定。

定年後の極端な労働条件の悪化は、65歳までの継続雇用を義務付けた高年齢者雇用安定法の趣旨に反するとして、会社に慰謝料100万円を支払うよう命じた2審・福岡高裁判決が確定した。」といった報道がありました(決定は平成30年4月1日付)。

昨年9月の福岡高裁判決によると、食品会社で正社員として働いていた女性は、平成27年3月末に60歳で定年を迎えた際、再雇用(継続雇用)の要件として、パート勤務で定年前の賃金の約25%とする労働条件を提示されたそうです。  女性はフルタイム勤務を希望したため、合意に至らず、退職を余儀なくされたとのことです。

1審の福岡地裁では、「賃金の引き下げは業務が減少したためで合理性がある」とする会社側の主張を支持。  これに対し、2審の福岡高裁は、再雇用(継続雇用)の際の労働条件について、「定年前後の労働条件の継続性・連続性が一定程度確保されることが原則」との解釈を示したうえで、収入が75%も減る労働条件の提示は「高年齢者雇用安定法に基づく継続雇用制度の導入の趣旨に反し、違法性がある」と判断したという経緯があります。    なお、原告(元従業員の女性)が、損害賠償とは別に求めていた従業員としての地位確認については、1審・2審とも「再雇用に至っていないので契約上の権利を有していない」として退けたとのことです。

トピックス一覧 »