[判例]パワハラ原因のうつ病で休業、労災と認める判決
生命保険会社に勤務していた鳥取県米子市の女性(57)が、うつ病で休業に追い込まれたのは上司のパワハラが原因にも関わらず、鳥取労働基準監督署が労災を認めなかったとして、国を相手取り、休業補償給付などの不支給処分の取り消しを求めた訴訟があり、松江地裁(和久田斉裁判長)は7月6日、処分取り消しを命じ、労災と認める判決を言い渡しました。
女性は鳥取支社米子営業所に勤務していた2003〜05年、生命保険会社の営業所のマネジャーをしていた際に、当時の上司から激しい叱責(しっせき)を受けるなどしていました。うつ病を発症し、休業。約2年1か月分の休業補償を鳥取労働基準監督署に請求したが、労基署は、「業務上のストレスは強度とは認められない」として、不支給としたため、08年11月に提訴していた。
判決では、基準に照らして業務上の要因とは認められなかったとする国の主張を、上司の叱責により強いストレスを蓄積していったなどと否定。また、基準は心理的負荷の強度を適正に評価するには十分とはいえず、参考資料にとどめるべきだと指摘しました。