[年金・医療]厚生年金「脱退手当金」、支給漏れ19万件
結婚などで会社を退職した場合に、厚生年金の保険料相当額を清算して一時金で受け取る「脱退手当金」(現在は制度廃止)について、前身の旧社会保険庁が支給した約644万件のうち、3%に当たる約19万2千件で支給漏れがあったことが日本年金機構のまとめで分かりました。
1950年代から60年代に支給されたものが多く、大半が女性でした。
本来は、退職までの厚生年金の全加入期間に基づき金額を計算するべきなのに、加入期間の一部しか反映されていませんでした。
複数の会社に勤務した人に対し、最後の会社での加入期間分しか支給しなかった、といった事務処理ミスなどが原因です。
同機構によると、算入されなかった記録は受給者の年金額に反映されているといいます。
また、本人の代わりに脱退手当金の手続きをした会社側が横領し、本人に渡していないケースがあるとも指摘されています。このため、機構は19万件のうち2千件を抽出して本人に事情を聴くなどの調査を進めます。