[労働経済]雇用調整助成金、3000億円不足の見通し 10年度末 - 沖縄で雇用・労務のことなら上原労務管理事務所

092-791-8555 お問い合わせはこちら

トピックス

トピックス

[労働経済]雇用調整助成金、3000億円不足の見通し 10年度末

 国が企業に休業手当の一部を助成する雇用調整助成金の利用が急増しているため、財源となる積立金が、2010年度末に3千億円程度足りなくなる恐れがあることが4日、厚生労働省の試算で分かりました。景気の低迷が長期化するなか、同省は今後も多くの利用があるとみて、失業給付向けの積立金からの借り入れで不足額を確保することを検討しています。

 雇用調整助成金は、国が企業に従業員の休業手当や教育訓練中の賃金を助成し、解雇を食い止めるのが狙いで、昨秋以降の雇用情勢の悪化で、要件の緩和や助成率の引き上げが繰り返されており、大企業は最大で休業手当の4分の3、中小企業は9割が助成されます。
利用を申請して計画が受理されたのは、昨年10月には140事業所の3632人分だったのが、今年10月は8万4672事業所の197万2568人分に増えました。

 財源となる労働保険特別会計の雇用安定資金は、雇用保険料のうち企業の負担分でまかなわれていますが、利用の急増で、2008年度末に1兆円余りあった残高は2009年度末には3500億円に減る見通しです。

 2010年度末の残高は、10月時点では1100億円になると試算していましたが、新たな経済対策で12月から要件がさらに緩和されたことや、雇用情勢の厳しさが続いていることから、3千億円程度の不足が生じる見込みとなったものです。

 同省は不足分を一般会計から直接、穴埋めすることを検討しましたが、政府内の調整がつかず、このため、労使折半の雇用保険料と、国庫負担を財源とする失業等給付の積み立てから不足額を借り入れるよう検討しています。失業手当の受給者も増えていますが、残高は2009年度末で4兆8千億円あり、一時的な借り入れであれば給付に影響がないと判断したようです。

トピックス一覧 »