[労働経済]緊急雇用対策 雇調金の要件緩和、社会保障分野柱を検討
長妻昭厚生労働相は5日、内閣府で菅直人国家戦略担当相と会談し、過去最悪の水準となっている雇用情勢を受け、緊急雇用対策の策定に着手する方針で一致しました。近く菅氏が窓口となり、関係省庁と協議を始めます。
対策は、従業員の休業手当を国が助成する「雇用調整助成金」の支給要件緩和など、短期的なものが中心となる見通しです。財源としては、2009年度補正予算に盛り込まれている「緊急人材育成・就職支援基金」(7000億円)を活用することを検討しています。
さらに、政府は緊急対策に続き、長期的な雇用対策の策定にも取り組みたい考えで、人手不足となっている介護分野での雇用促進策などが検討される見込みです。
長妻氏は会談後、記者団に「介護はこれまでコストととらえていたが、むしろ投資。雇用も作れる」と語り、介護など社会保障分野を柱にした雇用拡大策を打ち出す意向を表明。平野博文官房長官も同日午前の会見で、緊急雇用対策本部を政府が設置することについて「今後の進展によっては当然考えなければならない」と述べ、前向きに検討する考えを示しました。